Cygames の Technical artist
サイゲームスには20名超のTAが在籍しています。
特定のゲームタイトルの開発を専属でサポートをするスタッフは「新規開発プロジェクト」と「運用プロジェクト」に所属します。
この他プロジェクトには所属せず、プロジェクト立ち上げ前からの相談事に対応するスタッフは「テクニカルアーティスト本部」に配属されます。
アーティストとエンジニアのやりとり
1.アーティストがDCCツール(※1)を使ってイラストや3Dモデル、アニメーションなどの素材を作成する
2.アーティストが作った素材データをエンジニアに渡す
3.エンジニアがプログラミング言語を使って素材をゲーム内に組み込み、意図通りに動くようにプログラムを作る
開発現場では、2のアーティストとエンジニア間の素材の受け渡しが難題となります。
アーティストが作成した素材は、グラフィックソフトで作成したファイルのままでは使えない、または扱いづらいことが多いため、エンジニアが実装しやすいデータ構造に変換する必要があります。
しかし、アーティストは「どんなデータ構造だとエンジニアが扱いやすいのか」「どんな手順でどんなデータを用意したらいいのか」には明るくありません。
逆にエンジニアは、DCCツールを熟知しているわけではないため「△△の機能を使って××すれば、適切なデータ構造にできる」といった指示まではできません。
そこでTAの出番です。DCCツールとプログラミングの両方の知識を持つTAが間に立つことで、「このデータについてはこの手順でやると効率が良い」といった助言ができるわけです。
橋渡し役を引き受ける上で重要なのは、アーティストやエンジニアよりも一段上のレイヤーから現場の状況を捉え、先のことまで考えて作業環境を設計することです。局所的な効率化だけではなく、全体的な効率化を考える必要があります。
具体的には
ルール決め
フォルダ構成
ファイルの命名規則
データ構造のレギュレーション
アセット(素材データ)の管理方法
上記のようなルールに沿ったデータ作成のために、TAがデータチェックツールやエクスポーター・インポーターといったツールを作成することもあります。
例えばあるプロジェクトでは、DCCツールでファイルを保存する際に、設定したルールに沿ったデータ構造にして、ファイル名も命名規則に従って自動で設定するツールを作りました。
他にも、下記のようなツールを作成しています。
Houdiniでの地形データ作成を簡略化するツール
Maya用のウエイト/法線/頂点カラーの調整ツール
シーンオープナー
UV調整ツール
モデルデータのチェックツール
モデルデータやモーションデータのインポーター/エクスポーター
Photoshopむけ
実装用画像や指示書の自動書き出しツール
Spineなどのアニメーションソフトへのデータ書き出しツール
仕事2 アーティストが目指しているリッチな表現を、ゲームという枠組みの中でいかに実現する
見た目をなるべくよくする
工数を最小化する
技術検証・負荷検証をする
一人前の基準
上流の設計段階でこれができれば、十分な実力があるといえる
TAはプロジェクト全体の都合、あるいはプランナーやディレクターの意向、アーティストやエンジニアの要望など、さまざまな立場の意図を汲み取って、誰もがわかる言葉に置き換える...
言語化できない要求を汲み取る
よくいわれるが、実際には汲み取るのではなぬ相手と同じことをやってペインに気づくってこと基素.icon
「汲み取る」は抽象的だが、エスパーで汲み取るのではなく実際には泥臭い作業をひたすらやることで気づく